少年サッカーを始めた方の中には、リフティングなどボールを扱うプレーは好きでも、ディフェンスが苦手なことでサッカーが楽しく無くなったりレベルアップを阻害するというケースも多いです。
そこで、少年サッカーにおける4つの守備のポイントを解説していきます。
- 対人守備
- カバーリング
- ゾーンディフェンス
- マンマーク
人を守る、ゴールを守る、スペースを守るなど局面に応じて守る目的や意味が変わってくるという意味で難しいのがサッカーのディフェンスであり、最初にぶつかる壁でしょう。
守備に対する考え方とコツをシンプルにまとめることで、ディフェンスに対しての理解のきっかけとなることが出来ると楽しさが増してくると思います。
好きこそものの上手なれといいますし、守備の上達のコツは守備を楽しむこと!
サッカーでボールを扱う時間は90分のうちで1分といわれていますから、残りの時間を楽しめば、サッカーの面白さは何倍にもなりますので
守備を面白くプレーできるように4つのポイントを参考にしてくださいね。
対人守備
守備における相手との1対1の対応に対応するために重要なことは、まずは体の向きです。
相手と自陣ゴールの間に立って「ゴールまでの最短距離を防ぐ壁」のようなイメージで身体の向きを作って相手と対峙しましょう。
対人守備における目的は相手にゴール方向への突破を許さないことです。
姿勢
対人守備において姿勢も重要なポイントです。
姿勢のポイントは「脱力」。
足を肩幅に開いて、相手に近い足を前にして両足が横並びにならないようにします。
重心を軽く沈ませて、かかとは地面から軽く浮かせるようなイメージ。
意識することはリラックスすることと、すぐにどこにでも動けるようにすることです。
つまり、どこか一点に体重が掛かっていたり、片方向にしか動けないような姿勢は良くないという事ですね。
両足が横並びにならないようにする理由は足が横並びだと後方に足を踏み出す際に一歩目が遅れるという弱点があり、裏のスペースへのケアに難があるからです。
逆に言えばシュートブロックの時など裏へのスペースよりも左右均等に素早く動くことを優先したいときは、両足を横並びにする姿勢が望ましいケースもあります。
ボールの奪い方
体の向きと姿勢を作って相手に詰め寄ってからタイミングを見計らってボールを奪いに行きます。
この際に注意することは「足だけで行かないこと」。
足をボールに出すだけだと体勢が崩れるからです。
そのため、体も相手に向かって動かしてボールと相手の体の間に自分の体を入れるようなイメージでボールを奪いに行くのが基本です。
ボールを奪った後は、まずボールを自分のものにする(相手がボールに足が届かないようにブロックする)ことを意識しましょう。
ボールに足が届くと判断したときは足だけでチャレンジするのも良いですが、足が届かなかったり相手が先にボールに届いてしまった場合に大きな代償を払うことになります。
そのため、スライディングタックルは守備における「最後の手段」といわれます。
安易にスライディングタックルを多用すると守備に穴をあけて傷口を広げるだけです。
紙一重でピンチを救うというようなシチュエーションでスライディングタックルは使用しましょう。
カバーリング
サッカーは個人競技ではないので複数人で守備をする必要があります。
うまく守るための基本として、2人で守る際の原則を意識しましょう。
「チャレンジ&カバー」と呼ばれるものです。
味方選手がボールを持った相手に対して守備を行っている時に、斜め後ろのポジションにサポートに入ることを指します。
斜め後ろ
ドリブルで抜かれるなど斜め後ろにボールを運ばれた後に、サポートに入る動きをカバーリングといいます。
また、ボールを運ばれる前に斜め後ろにポジションを取っておくことを予防的カバーリングといいます。
どちらも略して「カバー」と一般的に呼ばれますね。
とにかく、ボールを持っている選手に一人がアプローチすることと、その選手の斜め後方のポジションを埋めることは守備の基本です。
この基本が出来ているとボールが最短距離でゴールに向かうことを防ぎながらも守備陣形に穴を作らずに済みます。
ゾーンディフェンス
ボールにアプローチする選手とその周辺でカバーする選手との関係について理解すると、全員が守備時に動く仕組みも見えてくるでしょう。
斜め後ろにポジションを取れるようになるとボールにアプローチに行く選手と左右後方の選手で三角形が出来ます。
左右後方の選手が動いたことで出来る隙間を埋めるようにさらにボールから遠くの選手がボール方向へポジションをスライドすることでスペースが埋める守り方をゾーンディフェンスといいます。
ゾーンディフェンスの注意点
ゾーンディフェンスと聞くと、その言葉から想像する印象として自分の持ち場(ゾーン)を離れずに全員が均等なポジションバランスを保つというイメージがありますね。
そのため、ゾーンディフェンスを勘違いしているチームはボールホルダーにアプローチに行かないというケースがありますが、これは悪例です。
本来のゾーンディフェンスの意味はボールの位置が動くたびに、アプローチに行く選手をゾーンによって代えながら陣形を整え続ける守り方をいいます。
マンマーク
組織的な守備の仕方としてゾーンディフェンスとともに考え方として重要なのはマンマークです。
マンマークはゾーンディフェンスと相反する考え方では無いですが、人に付くか、スペースを埋めるかという判断を迫られるときに
「マンマークかゾーンディフェンスか」という判断基準を持っておくことは重要です。
ちなみにマンマークはマンツーマンと呼ばれることもあります。
略してマンツーといわれたりもしますが、同じ意味です。
ゾーンディフェンスとの違い
組織的な守備方法はマンツーマンかゾーンディフェンスに大きく二つに分けられます。
簡単にいえばゾーンディフェンスはスペースを守る守備。
マンマークは人を守る守備といえます。
ゾーンディフェンスがボールの動きに合わせた味方選手との位置関係に合わせてポジションを修正するのに対してマンマークはボールの動きに合わせた相手選手との位置関係を見てポジションを修正します。
マンマークはではボール・相手選手(マークする相手)・ゴールの位置の3点を結んだ三角形の中にポジションを取ります。
相手選手との距離感はぴったりと張り付いていればよいという訳でもありません。
ボールと相手選手のどちらも視野に入れることが出来て、尚且つボールがマークする相手選手に渡った時に自由を与えずにアプローチできるポジションを取りましょう。
守備の目的
ゾーンディフェンスであれマンマークであれ守備の目的は「失点しないこと」です。
失点しないためにはシュートを打たせない、シュートを打たせないためにはシュートを打てる状況にさせない。
といったように失点しないことから逆算する発想を持つと守備を感覚的に理解できるようになると思います。
頭でっかちにならないように上記のポイントを意識しつつ「失点しないこと」という大原則を押さえておくことが重要です。
以上のポイントを踏まえて体が自然に反応するようになると守備が楽しくなるでしょう!