キッズサッカー向け指導法の8つのポイントと、トレーニングメニュー

キッズ年代の子どもたちにとってのサッカーは、「ゲーム」であり「遊び」の延長としてとらえ、子どもたちがサッカーを楽しむことを目的に指導を行っていく必要があります。

そのためには、指導者や保護者の方々が子どもの成長を一番に考え、長い目で子どもたちの成長を見守っていくことが大切です。

この年代の子どものサッカーは、大人のサッカーとは全く別ものであるということを私たち大人は理解する必要があります。

大人のサッカーを子どものサッカーに当てはめるのはナンセンスです。

そもそも子どもと大人では、身体的な要素や精神的な要素もまだまだ発達段階であり未成熟期にあたります。そんな子どもたちに私たち大人と同じようなサッカーを行うことは不可能なのです。

この年代の子どもたちは、好奇心が旺盛な時期なので練習やゲームの最中でも興味が沸くようなことがあればすぐに気持ちがそれてしまいます。

子どもたちは、他人と一緒に行動することが苦手で自己中心的な考えをもって行動してしまいます。周りの状況確認や方向性の感覚もまだ発達段階のため、ゲーム中ではサイドラインが分からなかったり攻撃する方向が分からないということが時々おこります。

このような子どもたちの特徴を良く理解して、子どもたちに接して成長を助けてあげることが私たち大人にとって重要な役割なのです。

この年代の子どもたちにとって必要なことは、サッカーを純粋に楽しむ事とサッカーを好きになってもらう事が最も大切なことだと思います。

少年サッカーキッズ向け指導のポイント

サッカーの育成において、最も成長する世代があり「ゴールデンエイジ(10~12歳)」と呼ばれます。

今回の対象世代であるキッズ世代とは「プレ・ゴールデンエイジ(5~9歳)」と呼ばれており、この年代はいずれやってくる「ゴールデンエイジ」に向けて準備する世代になります。

この年代の子どもたちは、神経系の発達が大人の約90%以上に達しています。力強さを鍛えるには適していない年ごろなので筋力はありませんが、神経系が最も発達するこの時期は、運動能力を身につけるには最も適した年代です。

この時期に、たくさんの運動に触れることで子どもの大脳の発達も促進され、体を動かす事や運動する事への歓びを感じはじめるのもこの時期です。

子どもたちの動きづくりの為、ボールに親しむためにボール運動(ボールフィーリング)をたくさん行うようにしていきましょう。

指導のポイントをいくつか紹介していきます。

子どもの動きづくりをサポート

子どもは動くことが大好きです。遊びの要素を入れながらいろんな動きをさせて、神経系に刺激を与える動きづくりを行いましょう。

自分で動いたり、相手の動きに対して反応する動きを意識した動きづくりをしましょう。

ボールを使った遊び

ボールを使って一緒に動く。ボールと一緒に走ったりなど様々な動きを取り入れてみましょう。

サッカーに興味をもってもらう

サッカーに興味をもってもらえるように、子どもたちの好奇心を刺激するバリューパック豊富なメニューを考えましょう。

子どもたちが、自分で考えて動けるような工夫したメニュー作りをしましょう。

競争的な要素をいれてあげるとより効果的に動けるようになります。例えば時間内に回数を競わせるなどすると良いでしょう。

指導者(大人)も一緒に動き楽しむ

子どもたちは、大人が一緒に動いてくれると喜びます。大人もお手本を見せながら子どもたちと一緒に楽しみましょう。

言葉を使って指導しましょう

具体的な言葉を使ってうまく指導しましょう。

例えば「ボールをしっかり見てキックしよう。」など分かりやすく丁寧に言葉を使って教えてあげましょう。

うまくいかなくても叱らないこと

この年代の子どもたちは、肉体的にも精神的にもまだまだ成長段階なので失敗やうまくいかないことは当然あります。

子どもたちの成長は、トライ&エラーを繰り返して成長していきます。すぐに叱ったりせず暖かく見守り優しい言葉をかけてあげましょう。

子どもの健康状態も考慮しましょう

子どもたちの健康状態に配慮して指導に取り組みましょう。週1~2回程度、1回の指導時間は45分位で間に15分程度の休憩を入れながら取り組むと無理なくできると思います。

子どもたちの様子を観て早めに切り上げる事も大切です。

天候状況によって雨天時や極端に暑い、寒いような時は子どもたちの健康状態を考慮し無理せず外での練習は中止にしましょう。

やりすぎは絶対に避けましょう。身体的にも精神的にも負担をかけるとケガや病気の原因にもつながります。将来的な問題にも発展しやりすぎが原因でサッカーが嫌いになってしまっては元も子もありません。

やりすぎてしまうよりは「もっとやりたい」という気持ちを残すくらいがちょうどいいのです。

遊びを通して楽しさを実感させる

子どもは、いろいろな「楽しさ」を通して喜びを感じながら、ものごとを好きになっていきます。

例えば、体を動かす楽しさを知れば、サッカーでプレーする楽しさを覚えサッカーを好きになっていきます。

コーチにキックのやり方を丁寧に教えてもらい、そのキックでゴールを決めたり思ったとおりのキックができるようになれば、ものごとを分かる(知る)楽しさを覚えサッカーをもっと好きになっていくのです。

好きになることで興味が沸き意欲が沸いてきます。また意欲が出ることによってものごとをさらに好きになっていくのです。

少年サッカーキッズ向けトレーニングのポイント

サッカーは、足だけではなく体の各部のいろいろな動きや要素が必要となる複雑なスポーツです。

そのためにもキッズ年代では、様々な動きを取り入れた遊びをすることで、自然に神経系に刺激を与えコーディネーションを高めていきましょう。ゴールデンエイジに向けて基礎的な体づくりにもつながっていきます。

トレーニングポイントについて、いくつか紹介していきます。

トレーニングポイント

  • おにごっこなどで回りを観る力を養う
  • 様々な動き(走る・蹴る・跳ぶなど)でバランス感覚を養う
  • 体全体を使っていろんな形でボールと一緒に動く
  • 技術獲得に向けた基本的な動きをとり入れる
  • ボールに慣れることを重点にキック・ドリブルに取り組む
  • 子どもたちが楽しく体を動かせるように工夫したメニューをとり入れる
  • 子どもに分かりやすい言葉でアドバイスをする

トレーニングメニュー(スキルゲーム)

トレーニングメニューをいくつくか紹介させていただきます。

先ほど紹介させていただいた、トレーニングポイントと併せて参考にしていただければ幸いです。

コーンをねらってキック

前方に置いたコーンをねらってキックします。はじめのうちは短い距離ではじめて慣れてきたら距離を伸ばしていきます。

コーンたおしゲーム

大人と子どものチームに分かれて2グループで、コーンを倒す、起こすを競います。慣れてきたら子ども対子どもで、コーンを倒すグループと起こすグループに分かれて対抗戦をします。

コーンの色や大きさを変えてやるなど工夫してやってみましょう。

こおりおに

大人(コーチ)が鬼になって、子どもたちを追いかけタッチします。タッチされた子は凍りついて動けなくなります。まだタッチされていない子にタッチされると動けるようになります。

しっぽとりおに

子どもたちのお尻にビブスでしっぽをつけます。大人(コーチ)が鬼になって、子どもたちはしっぽをとられないように逃げます。

全員がしっぽをつけて、みんなで取り合い最後まで残れるのは誰かといったルールでやってみるのもスリルがあって楽しいかもしれませんね。

シュートゲーム

ゴールに向かってコーンを並べたり、マーカーを配置してコースをつくります。つくったコースからはみ出ないようにコーンの間をドリブルしてシュートをしてみましょう。

コースを隣にもつくって競争をすることもできます。ゴールの中にコーンを設置してコーンをねらってシュートしたりしてみましょう。

まとめ

この年代では、子どもたちが体を動かすことが楽しい、うれしい、おもしろいと感じとれるように工夫をして取り組みましょう。

かっこいいプレーやうまいプレーは、この年代ではあまり求めずサッカーを好きになってもらうことがとても大事な時期なのです。

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